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釣果情報 大分県 佐賀関周辺地磯 ネリゴ

6月も末に差し掛かり、梅雨明けが待ち遠しいこの季節。
九州各地の沿岸水温の高い地域ではハガツオやネリゴ（カンパチの幼魚）、船からのキハダやメバチの釣果も目にするようになり、
いよいよ夏の訪れを間近に感じるようになってきた。
これからまだまだ暑くなると考えると辛いが、季節にあわせて狙いが変わるのも面白いものである。
そして今回向かったのは、例年7月の半ばからネリゴの釣果が出始める地磯へ調査に向かった。

ポイントへは車で約40分。
家を出る頃から小雨が降っていたため、いつもであれば少し嫌な気持ちになるのだが、
ロックショアゲームとなると冒険心が男心をくすぐるのか、雨も全く苦にならず不思議なものである。

4時20分頃駐車スペースに到着した。
いつもならマズメを逃すまいと準備を急ぐのだが、前夜に見た心霊写真特集のYouTubeが急に頭の中で再生されていつもの林道が不気味に感じ始める。
今回赴くスポットは基本的に他の釣り人が少ない場所なので心細くなってきた。
「どうする？行くか…？空が白み始めるのを待つか…？」と自問自答をするも、結局白むのを待つことに…笑

霊的なモノも信じないし、怖がりでもないが意外と釣りの好ポイントは、いわくつきの場所や心霊スポットであることが多く、自身も釣り場では色々な経験をしたことがある。
このあたりの話のネタはもう少し暑くなった時期にでもご紹介しよう笑

ちなみに今回のポイントで初めて常連さんにお会いした際、
「よく1人で磯に降りますね！」と言われ、「？？？」となったことがある。
よくよく聞いてみると磯へ降りるまでの林で何度か○○が見つかったらしく、常連さんは基本駐車スペースで合流してから降りるそう。
最も要らない情報を聞かされた気分であった。。。

さてさて雑談が過ぎたが、無事に空は白み始め10分ほど山を超えて磯に降り立つことが出来た。
今回のポイントは岸から沖に30メートルほど伸びた磯場である。

満潮時は腰の高さ程度の水深のスリットを超えて先端まで行く必要があり、ライフベストやウエットスーツ、磯靴等の安全装備は必須。
今回も釣る前からびちゃびちゃになりながらなんとか先端に到着。
ちょうど満潮潮止まりの時間ではあるが、豊後水道の最狭部に位置するこのポイントでは上潮と下潮が拮抗し合い複雑な流れの起伏や、潮目、
ヨレが出来ており雰囲気は抜群！

薄暗いうちはトップウォーターから探る。
こうした山登りや崖越えなどが必要なら釣り場へのタックルの持ち込みは基本最小限にしている。
今回も朝一はMaria ダックダイブf190 サンマから。
暗いうちはベイトやフィッシュイーターが足元の磯際まで寄っていることも多く、ラインを濡らすのも兼ねて磯際から探っていく。
海面の揺らぎが多い為、力強くアピールしながらボシュッ！ボシュッ！と引いてくる。
何度か試すものの反応が一切確認できず、ダメならばと今度は沖へキャスト。
如何にも魚が着いていそうな潮のヨレや潮目を狙ってキャストしていくが、プラグに驚き逃げるベイトの姿も一切確認出来ない。

中々厳しいか、、と思いながらふと足の周りに目を向けると
しまった！足元に大量の蚊が…！
温かくなってくるとコイツがやってくるのを忘れていた。
前回来た頃はまだまだ虫の心配も無かったが、これからは忘れないようにせねば（汗）
結局ボコボコに刺されながら釣りをするハメになったが、雨が強くなりだすと蚊の群れはどこかへ去っていってくれてひと安心。

こうした季節の移り変わりも釣りには重要なファクターになる。
同じ時期、同じ潮回りでも生き物の活動軸は全く別軸で動いていることが多い。
たとえば某釣り場では橋の欄干にカモメがとまり始めるとコノシロが入って青物が釣れ出す。
またとある釣り場では磯に続く林道に女郎蜘蛛が巣を張り出すと時を同じくして湾内に青物が入り出す。
生き物の活動軸は気温や水温、はたまたその温度に至るまでの積算温度などに影響されることが多い。
そうした植物や生物たちの変化やサインを季節の中で感じ取れるようになると、釣りは一段と面白くなる。
何度魚になってみたいと思ったことか。釣られるのは嫌だが（笑）

改めて振り返ってみると昨年釣れ始めていた時期は林道近くの街灯下には虫がたくさん集まり、林道の草木の茂り具合ももっとモッサリ。
合わせて至る所に蜘蛛が巣を張っていて木の枝で蜘蛛の巣をはらいながら磯まで降りていた。
今日のソレとは全く雰囲気が違う…時期としてはまだまだ早かったのだろう（笑）

とはいえ、居ないと決めつけて諦めるにはまだまだ早い時間。
トップでダメなら、やはりジグでいくしかない。
早々に切り替えて色々と試してみる。

実績の高いコルトスナイパーロングや撃投ジグで扇状にキャストを繰り返し、
あらゆるしゃくりを試したり沈み瀬の周辺をネチネチ攻めてみたり…
これまでの経験で培った思いつく限りのことは全てやってみる。

この日は本当に潮がフラフラどっちつかずで、右に流れていたかと思うと転潮して左に流れ出したり、急に早く動く潮。
それだけ複雑な流れなのでジグを引く際にかかる潮圧も重くなったり軽くなったり…
その度に一喜一憂してしまう（笑）なんせこの釣り場には私一人しかいない。
すこしばかりオーバーにリアクションをしても問題ないのだ（笑）

しかしながら肝心の魚からの反応がないので、
ポイントを少しずつ変えて何度もチャレンジしてみるも、
結局何も無いまま朝のサービスタイムは終了！

大好きな甘い菓子パン、そして大好きなカレーパンを片手に朝食をとりながら
至福の時間を楽しんでいると、大粒の雨が海面を叩き出す。
「あ～また降ってきてしまったか。」とそそくさとパンを頬張る。

それと時を同じくして遠くで鳴っていた雷がだんだん近づいてきていることに気付いた。
雨はともかく、雷は流石に釣りどころではなくなるので片付けを済ませて帰ることにした。
ボウズは悔しいが仕方がない…
雰囲気は抜群だが、餌となるベイトも見当たらなければフィッシュイーターも入っていないのだろう。
残念だがここまでだ。

帰り際、海岸沿いの植物に目をやるとカンゾウの仲間や海岸性植物が綺麗な花を咲かせていた。
海の近くでも力強く根付く植物の力強さに見とれてしまい写真をパシャリ。
普段の生活圏ではお目にかかることのないこうした植物も、あらためて観察してみると面白いものだ。

さらに、まるでジブリの世界に迷い込んだかのような林道が
雨のおかげもあってより神秘的になっていたりと、
自然の凄さを感じられるスポットに名残惜しさを感じながら駐車場へと向かった。

地面は雨の影響でぬかるんでいたため苦戦しながらもなんとか駐車場まで無事に戻ることができた。

今回の釣行は結果こそボウズではあったが、誰もいない磯でひとり海と向き合うのは最高に気持ちがいいものだ。
ひとりだからこそ注意していかなければならないので気は抜けないが、定期的に訪れたいと再認識できた。

雨や行き帰りの林道も非日常を味わう意味では非常に良いスパイスとなり、清々しい気持ちで朝活を終えることが出来た。
ネリゴが上がり始めたよ！という知らせが届いたタイミングでまたリベンジに訪れたい。